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名古屋地方裁判所 昭和57年(ワ)1776号 判決 1982年11月26日

原告

ひばりタクシー株式会社

被告

鬼頭頼光

主文

一  被告は原告に対し金四二万一〇〇円及びこれに対する昭和五六年一一月一五日より支払済にいたるまで年五分の割合による金員を支払え。

二  訴訟費用は被告の負担とする。

三  本判決は仮に執行することができる。

事実

(申立)

第一原告

主文第一、二項同旨及び仮執行宣言。

第二被告

原告の請求を棄却する。訴訟費用は被告の負担とする。

(主張)

第一請求原因

一  原告はタクシー業を営む株式会社であり、訴外岡庭利美は原告の従業員として乗客用自動車運転の業務に従事していたものである。

二  右岡庭は昭和五六年八月四日午後一一時四五分頃、原告所有の普通乗用自動車(名古屋五五ウ五四二三・以下本件自動車という。)に客二名を乗車させて名古屋市中区大須一丁目一番三号先路上で信号待ちのため停車していたところ、被告は小型貨物自動車を運転し本件自動車の後方より同一方向に進行してきたものであるところ、前方注視義務を怠り本件自動車が停車しているのに気付かず追突し、岡庭及び乗客二名に負傷させるとともに本件自動車を破損させた。

三  原告は本件自動車の破損により次のような損害を受けた。

1 修理代金三一万五一〇〇円(昭和五六年一一月一四日支払い。)

2 右修理のため一五日間本件自動車を使用することができず、これを使用して得べかりし一日金七〇〇〇円、合計金一〇万五〇〇〇円の営業利益の喪失。

四  よつて原告は被告に対し、不法行為に基づく損害賠償として、右合計金四二万一〇〇円及びこれに対する右修理代金支払の翌日である昭和五六年一一月一五日より支払済まで年五分の割合による遅延損害金の支払を求める。

第二請求原因に対する答弁

請求原因一、二の事実を認め、同三の事実は知らない。

(証拠)〔略〕

理由

一  請求原因一、二の事実は当事者間に争いがなく、右事実によれば、被告は追突により原告に与えた損害を賠償する義務がある。

二  しかして、原告代表者本人尋問の結果及びこれにより成立を認める甲第一号証の一、二、第二、三号証によれば、原告の本件自動車を事故の翌日修理業者に請負わせて同月一九日修理をうけて引渡しを受け、同月二〇日金三一万五一〇〇円を支払い、右修理期間である一五日間は本件自動車を使用してタクシー業を営むことができなかつたこと、原告が本件自動車を右業務に使用すれば少なくとも一日金七〇〇〇円の営業利益を得られたがこれを逸失したこと以上の事実が認められ、右認定に反する証拠はない。そして、右修理費用は勿論、右逸失利益も原告のタクシー業という業務の性質上、右一五日間は代車を使用してその業務を行うことが困難であつたことに照らし、いずれも本件事故と相当因果関係にある損害というべきである。

三  よつて右損害金合計金四二万一〇〇円及びこれに対する本件事故の後である昭和五六年一一月一五日より支払済まで年五分の割合による金員の支払を求める本請求は正当として認容し、民訴法八九条、一九六条を適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 浅野達男)

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